硬水と軟水は何が違う?
飲料や洗濯、入浴などに使われる生活用水は、大きくわけて硬水と軟水の2種類に分類されます。
両者の違いは水に含まれるカルシウムとマグネシウムから算出できる硬度にあり、硬度が高いものは硬水。硬度が低いものは軟水と定義されます。
硬度の単位はppmで表されるアメリカ硬度や、dHで表されるドイツ硬度などがありますが、最も一般的なアメリカ硬度の場合、カルシウム濃度(mg/L)×2.5+マグネシウム濃度(mg/L)×4.1で計算することができます。
世界保健機関(WHO)では、上記計算式から算定した値に基づいて以下のように硬水・軟水を4種類に分類しています。
- 軟水・・・0~60未満
- 中程度の軟水(中硬水)・・・60~120未満
- 硬水・・・120~180未満
- 非常な硬水・・・180以上
日本の生活用水のほとんどは硬度80以下の軟水となっており、口当たりがまろやかで飲料水に適しているほか、赤ちゃんのミルク作りやお茶、だし汁作りなどに用いられています。
また、金属石けん(石けんカス)が出にくく、石けんを溶かす能力が硬水に比べて2倍も強いことから、洗濯や体の洗浄にも適しています。
一方、硬水はマグネシウムやカルシウムの含有量が高いため、ミネラルの補給に適しているほか、アクを出しやすいため、肉類などアクの多い料理作りに活用されています。
ただ、石けんの泡立ちを抑えてしまう上、アルカリ性の石けんの成分を結合・凝固する作用があることから、洗濯や洗浄に不向きという欠点があります。
そのため、日本では主に軟水を好んで使用する傾向にありますが、マグネシウムにはデトックス作用があるほか、カルシウムには歯や骨の形成を促すはたらきがあるため、健康・美容促進に活用されています。